約 1,079,547 件
https://w.atwiki.jp/nekobacho/pages/5.html
概要 薔薇乙女に色々話せる企画 一線を踏み越える奴続出・・・ 関連URL 水銀燈 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3103 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3107 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=4031 金糸雀 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3715 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=4601-1 翠星石 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3264 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3891 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=4012 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=4053 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=4555 蒼星石 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3160 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=4433 真紅 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3453 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=3170 雛苺 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3303 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nonono=3326 薔薇水晶 ttp //info.from.jp/mu/robom.cgi?nono=3325 関連スレッド 蒼星石とお話しないかい? http //ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1142135784/l50 翠星石と話しやがれですー http //ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1142081946/l50 真紅にいろいろ教えてほしいのだわ http //ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1142167990/l50 雛苺とお話するのー http //ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1142128944/l50
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/76.html
或る日、事件に巻き込まれる事も無くアンゼロットに無理矢理に 招聘される事も無く、呑気に卒業後の春休みを満喫してのんびりと 寛いでいた柊の元に、薔薇の刻印が彫り込まれている古めかしい鞄が 唐突に窓を突き破って飛び込んで来て序でにベッドでごろ寝していた 柊の水月に鋭角に鞄の角をめり込ませながら激突した後に、静かに 部屋の床に独りでに降り置かれた。 暫く激突の痛みに悶絶していた柊では在ったが、鞄が視界に入ると どうにも気になって、近寄って鞄の蓋の留め具に手を伸ばしてみた。 すると、留め具はすんなりと柊の手で開き、鑑定には素人の柊から 見てもとても美麗で高級そうなゴシックロリータ風の紅いドレスを 纏った美少女型のビスクドールがまるで眠っているかの様に納めら れていた。 一緒に鞄の中に納められていたゼンマイの螺子に気付いた柊は、 ビスクドールを手に取ってその背に有った穴にゼンマイの螺子を 差し込んで慎重に回してみた。 最初は何の変化も見られなかったので、拍子抜けして御約束の如く その人形のスカートを摘んで中を覗こうとした時に、いきなりその 人形の足が動いて柊の顔面中央に見事な蹴りを突き込んだ。 「ぶへっ!? な、人形が動いただぁっ!?」 蹴りに因って柊の手から溢れ落ちた人形は両足を揃えて優雅に床に 降り立った後に柊に向き直り、手にしていたお洒落な西洋傘の先端を 柊に向けて突き付けながらその整えられた眉をしかめつつ柊を睨み付けて 大声で批難をぶつけた。 「ちょっと! いきなりレディのスカートの中を覗こうなんて失礼じゃ 有りませんこと!? 幾ら私(わたくし)の螺子を巻いてくれた方とは おっしゃっても、赦せる事と赦せない事が有りますわ! さぁ、今直ぐ土下座して私に謝りなさい!」 「な、いきなり何だよ!? っつか、謝ろうにも御前、名前何だよ!?」 いきなりな事態にうろたえる柊に対して、柳眉を逆立てていた美少女人形は 居住まいを正して自身のスカートの裾を両手で摘んで軽く上げながら 優雅に頭を下げて挨拶する。 「そう言えば自己紹介が未だでしたわね。 私の名は深紅、稀代の人形師ローゼンの造りし 薔薇乙女(ローゼンメイデン)の第五ドールですわ。 して、無礼な人間、御前の名前は? そして、早く私に謝りなさい。 今なら、私の下僕にしてあげる事で赦してあげるわ」 此処まで聞いて、柊は直感で察した。 この深紅とか云う人形、アンゼロットと同種の奴だ!と。 こうして、柊と薔薇乙女との奇妙且つ優雅且つ過激な日常が始まった……。 ← Prev Next →?
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1977.html
back/ 薔薇乙女も使い魔menu/ next 「まったく二人とも、何をしているの?」 真紅は大きな葉っぱの上にジュンとルイズを乗せて、呆れていた。 「いつつつつ・・・何すんだよルイズさん!」 「な、何をするって、それはこっちのセリフよ! 使い魔が逃げ出せば、追いかけるに決まってるじゃないの!?」 「だから~、新しい使い魔を召喚すればいいだけでしょう?」 「うっ!」 ルイズは、みるからに動揺した。冷や汗もダラダラと流し始めた 「・・・もしかして・・・出来ないんですか?」 「そっ!・・・そんなわけ、ないでしょうが!で、でもね」 ルイズはすっくと立ち上がり、ビシィッっとジュンのルーンを指さした。 「あたしはあんたと契約したの!それが証のルーンよ 新たな召喚をして契約するには、前の使い魔が死ななきゃいけないのよ!」 「え」 ジュンは左手のルーンをじっとみつめた。 「あんた、あたしに殺されたい?」 「え・・・いや、それは困る。これじゃ、まるで奴隷っつーか、奴隷以下? というか、なんだよその契約は!?呪いじゃねぇか!!」 「知らないわよ!そういう契約なのよ!!」 ジュンはルイズとルーンと薔薇の指輪を見比べた。 なんだか、真紅と契約したときもこんな感じだった気がする。 「そして、あたしも使い魔が居なきゃ困るの。メイジとしてね 何しろ、メイジの格は使い魔を見れば分かるって言われるくらいなんだから」 「う~ん、けど、こっちも帰らなきゃいけないしな。勝手な事言われても困るぜ。 なんとかこれ解除できないかな」 「殺す以外の方法?聞いた事無いわね」 ジュンは頭を傾けて、どうしようかと考えていた そしてルイズは爆発寸前なほどイライラしていた。 周囲の状況も見えないほどに 「ルイズ、そんなに使い魔が必要なの?」 「そりゃそうよ、これはあたしのメイジとしての一生が・・」 突然後ろから声をかけられ、ルイズは振り向いた。 そこには、真紅が立っていた。 突き抜けるような青空の向こうに、何か木のようなものがかすんで見える 何もない空の中に、真紅が浮いていた ルイズは大きな葉っぱの下を覗き込んだ。 雲海で何も見えない空が 「キャアアアアアアアアア!!!!!」 ルイズは葉っぱの上にへたりこんでしまった 「な!何よここ!?どこなのよ!??どうしてこんな所にいるのよぉ!」 葉っぱにしがみついて叫び続けている そんなルイズを尻目にジュンと真紅は視線を合わせ 真紅は意地悪っぽくウィンクして ジュンは、にひひぃ~♪ と、こっそりニヤニヤ笑った 真紅はルイズに近寄り、優しく話し始めた 「ここはnのフィールド。さっき話した人間の夢の世界よ あたし達はここを通っていろんな場所へ行けるの でもここはとてもとても迷いやすい場所だわ あたし達ローゼンメイデンしか、この空間を通り抜けられないわ」 「そして私も、ですよ。可愛い迷子達」 突然何もない空間に、白い裂け目が出来た そこから飛び出したのは、ウサギ頭に燕尾服 「やっぱり来たわね、ラプラスの魔」 真紅はラプラスの魔に正面から向き合った ジュンは葉っぱの上に立ち上がり、油断無くウサギを睨み付ける 意識を左手の指輪に向ける。いつでも真紅に力を送れるように ルイズはガタガタ震えながら、視線だけ動かして、その怪人を見た 「道化だけではありませんよ。薔薇乙女の半身達も、またここに」 そう言うと同時にラプラスの背後から、3つの光球が飛び出した 3色の光が真紅とジュンの周囲を嬉しそうに飛び回る 「あら、スィドリームだけじゃなくってピチカート。 それにメイメイも・・・」 「メイメイって、あの水銀燈の?へぇ、あいつが俺たちを捜しに・・・」 何か二人だけで分かる単語が飛び交い、ルイズは完全に置いて行かれた 分かったとしても、この高さ。恐怖に震える彼女に届く言葉ではない ウサギ頭が大仰に両手を広げ、朗々と語り出した 「嵐に巻かれた船員さん達 そろそろ港に帰る時間ですよ。 人形達が居なければ、人形劇が始まりません それはとてもとても退屈な時間です。」 「ふざけるな!お前の暇つぶしのために真紅も、雛苺も、蒼星石も・・・」 握り拳をわなわなと振るわせ、ジュンはラプラスの魔へ飛び出そうとした 「待って、ジュン」 真紅はジュンに振り向き、飛びかかろうとするジュンを制した 「なんでだ真紅!?こいつはあの偽物野郎と」 「そうかもしれないけど、今は帰るのが先よ」 「くっ・・・」 ジュンは震える拳を下げ、黙ってラプラスの魔を睨み続けた 「さすがは聡明なる第五ドール それではウサギの穴から帰りましょう でもお気を付け下さい、この穴は長く暗く、そしてまぶしくもろい ゆめゆめ闇と光にまかれることの無きよう、ご注意を」 ラプラスの魔は背後の空間を白く切り裂き、きびすを返した 「おい、イタズラウサギ」 「なんですか?ネジを巻いただけの少年」 ジュンがラプラスの魔に向け、口を開いた 「時間が惜しい、飛ばすぞ」 「ほう、よろしいのですか? あなた方はともかく、そちらの迷子のお嬢様には、少々刺激が強いかと」 「構わないさ。真紅もいいよな?」 「ええ、急いでちょうだい」 そんな話をする三人を見て、恐怖で動けないルイズは、更にイヤなモノを感じた 話を終えた三人がルイズを見て、少し笑った 何か、イヤなものが混じった笑みを 「あ・・・あの、ちょっと待って、いいいったい、何の話を・・・ひいいぃぃいええええええええっっっ!!」 言うが早いかジュンとルイズ、そして真紅も乗った巨大葉っぱが ラプラスの魔と光球達に先導されて、もの凄い加速で飛び始めた! 「ぃぃぃっぃいいやあああああああああぁぁぁぁぁ・・・」 ルイズの悲鳴はドップラー効果を残して消えていった 大瀑布の中を突っ切った 矢が飛び交う戦場を駆け抜けた 密林の木々をすり抜けた 一寸先も見えぬ暗黒の地下に潜った 見た事もない巨大な遺跡の門をくぐった 幻獣達が牙をむく草原を渡った 悪臭を放つ汚泥を彷徨った 病と死に支配された貧民街を飛び去った 果てしなく巨大な樹の根本まで落ちていった 光のささぬ深海から浮上した ラプラスの魔と、一行をのせた葉っぱは、時には風よりも速く、音よりも速く飛んだ 数多の夢と現を 闇と光の中を いくつもの次元の扉を 世界と世界の狭間を 悠久の時を あるいは雷よりも速く駆けていった そして 「楽しき旅も、しょせんはうたかたの夢 目の前にあるは、穏やかだがけだるい日常 それでは皆様、しばしの別れ 道化師は再び舞台裏へ」 そういってラプラスの魔は、また次元の狭間へ消えていった 残されたのは、大きな葉っぱに乗ったヘロヘロの乗客だった 「はぁ・・・やっとついた。うあー、かなり力吸われたぁ」 「お疲れ様だったわ、ジュン。でも結構元気そうね じゃ、ルイズはよろしくね」 ルイズは、とっくの昔に気絶していた 真紅と、ルイズを抱えたジュンが出た先は、桜田家の倉庫だった。 いつもの鏡から出てきた真紅達の前に、 翠星石 「真紅ぅ!ジュンん~~~!!心配したですぅ~!!」 金糸雀 「真紅!ジュンも!無事だったのかしらーーーーっ!!」 桜田のり 「ジュンくん、真紅ちゃん・・・良かった、無事だったのね」 柏葉巴 「必ず戻ると信じてたわ。二人とも・・・・お帰りなさい」 草笛みつ 「よ、よかったわぁ。ホント良かった。これで一安心ね」 柴崎さん 「おお、ジュン君も無事じゃったか、良かった良かった。ほんに良かったわぃ」 みんなが泣きながらだきついてくる ようやくの再会を喜び合う 「ただいま、みんな心配かけたわね」 「ねえちゃん、翠星石、みんな。ただいま。 どうにか帰って来れたぜ」 ちくしょう、泣けてくる。涙がとまらねぇ そして倉庫の入り口からは黒い羽根の先が見える。水銀燈だ さすがに中には入りづらいらしい ようやくの再会を喜び合い、その後 「えーっと、もしかして金糸雀のマスターですか?」 「あ、はい。初めまして。草笛みつと言います へぇ~、あなたがローゼンメイデンを2体も所有するミーディアムですかー」 「みっちゃんもあなたたちを心配してぇ来てあげたの。感謝するかしら?」 と言う風に、なんだか和気あいあいと茶飲み話に花が咲きそうになった だが、水銀燈が倉庫の中に、決定的に空気を凍り付かせる一言を放った 「真紅・・・蒼星石と雛苺のローザミスティカはどうしたのぉ?」 back/ 薔薇乙女も使い魔menu/ next
https://w.atwiki.jp/rozensusi/pages/13.html
取り合えずボクと雛たんの馴れ初めからお話しましょうね (ここは飛ばして構いません) 元々ボクはおいらロビー板にいました と言うより常駐板のひとつだったんですが ある日見慣れないスレを見かけました この薔薇乙女寿司スレです 気のいい女将に(ry そうしてボクは雛たんと出合ったのでした、おわり 雛たん日記にもどる トップに戻る
https://w.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/201.html
デフォルメ薔薇乙女劇場 第1回 「真顔で言われても」 第2回 「お前ら、ここ教室だぜ?」 第3回 「不意討ちだからこそ」 第4回 「謎は謎のままで」 第5回 「水銀燈は学校を欠席しました」 第6回 「女同士は断られたりします」 第7回 「されど食す」
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/646.html
SS一覧その7 薔薇乙女七姉妹湯煙サスペンス美人女将はアリスの夢を見るか(仮題) 好きなタイプは? ハロウィン テラ駄文(´・ω・`) 実体験 年に一度の日 Lの手記 ふと考える 七五三 蒼星石とお話したいんジャー 走れマスター マスターとラブレターと僕 ロシアにはロシアンティーなんてものは存在しない 蒼星石が責任を感じる必要はないのだわ まだ開けないで happy note~ビッグバードは黄色じゃなきゃ務まらない~ 続・happynote (一応18禁) マスターに甲斐性が無いんじゃなくて蒼星石が甲斐甲斐し過ぎるだけ 除夜の鐘 初詣 初夢 Little Flower 冬のキャンプ 歩こう 修学旅行in北海道 愛のエプロン 未来への遺産 鍋大会@薔薇乙女 スノーレジャー 一つになれたら 時の重み ~pool~ おひっこし 蒼星石の音楽日記 ババ抜き 腹筋スレ 導くから(若干鬱注意) 蒼の幸せ論 穴
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1974.html
薔薇乙女も使い魔menu/ next ・・・・・ やわらか くちに なにか さわった 何が起こったんだろう? 唇に柔らかい感触を感じ、意識を取り戻した 目に光を受け、ゆっくりと瞼を開けていく 突如、体が燃えるように熱くなった! 「ぐああああああ!あぁあ!ぃぎゃああああああっっ!!」 散々のたうち回った末に、ようやく収まった 脂汗をたらし、ハァハァと息をつきながら、ようやく体を起こし、周囲を見た 「あんた誰?」 抜けるような青空をバックに、桜田ジュンの顔をまじまじと覗き込んでいる女の子が言った。何か制服のようなものを着た、長いブロンドの女の子だ。 ジュンは顔を上げて辺りを見回す。草原の中に、同じ制服を着た沢山の生徒達がいる。その向こうには大きな城だ。 「・・・、・・・。・・・・、え?」 ジュンは一瞬ほうけてしまった 「名前よ、なーまーえ」 女の子は更に問いかける。 ピンクがかった長いブロンドの髪、白い肌。外人かな?でも、日本語でしゃべってる 「・・・ジュン。桜田、ジュン・・・・です」 『薔薇乙女も使い魔 プロローグ』 ここは・・・どこだろう?えーっと・・・なぜここにいるんだろう? さっきの熱さは何だったんだろう? ・・・・・ そうだ! あの「お父様」の偽者のせいで、真紅達ローゼンメイデンが戦わされて 薔薇水晶にローザミスティカを奪われて、でも薔薇水晶も6つのローザミ スティカに耐えられなくて自滅して、偽物と一緒に消えて、そんで「ロー ゼン出てこい!」とか叫んだら、ホントに来てくれたらしくて、 目を覚ました真紅と一緒に帰ろうと、扉をくぐって・・・・ 「真紅!?真紅は!!」 狼狽した彼は、すぐに向こうで眠る紅いドレスのアンティークドール--ローゼンメイデン第五ドール「真紅」--を見つけた。 「よ・・・よかった。ふぅ、どうやら戻って来れたんだ」 「ちょっと、何を無視してくれてるのよ。何が良かったのよ!? あんたどこの平民?」 「へ、平民?なにそれ?? ・・・あの、すいません。ここってどこ? 見たとこ日本じゃないよな」 キョトンとしたジュンの言葉は彼女の耳には届いていなかった 「サモン・サーヴァントは何回も失敗したが、コントラクト・サーヴァントはきちんとできたね」 黒いローブの男が彼女に言った 「相手がただの平民のガキだから契約できたんだよ」 「そいつが高位の幻獣だったら契約なんか出来ないって」 何人かの生徒が笑いながら言った 「バカにしないで!私だってたまにはうまくいくわよ!」 「ホントたまによね、ゼロのルイズ」 「ミスタ・コルベール!洪水のモンモラシーが・・・」 彼女は生徒達のからかいに必死で抗議していた。 何がなんだか分からないぞ。 あのルイズという女の子は、あのコルベールという男は、生徒達は何の話をしているんだ?周囲にいるモンスターみたいなのは何なんだ?まるで本物みたいだ 一体何が起きたんだ?? ジュンは、ルイズと呼ばれた少女に声をかけるのは後回しにした。状況はどうあれ、彼には一番にしなければいけない事があった。 「おい、真紅。起きろよ。おい真紅」 ジュンは真紅の体を優しく起こし、軽く頬を触れた コルベールはジュンの声を聞き、何気なく彼を見て、固まった 隣にいたルイズも何気なくコルベールの視線の先を見て、やはり固まった 「コルベール先生・・・これって・・・」 「し、信じられん。そこの少年の人形じゃなかったのか? まさか、2体も召喚していたのか!?」 2体、といわれて周囲の生徒達も一瞬で静まりかえり、こちらをじっと見つめる 「お、おい・・・あれ、人形じゃなかったの?ゴーレムか?」 「まさかぁ、どうみても生きてるわよ」 「えーっと、人間じゃないわよね、小さいし。亞人かなぁ、小人?」 「もしや、ただの子供なんじゃ?でも、それにしては何かヘンな・・・」 最初は笑っていた生徒達が、一瞬で静かになり、次に何か妙な雰囲気でさわさわと話し始めた。 生徒達が見つめる先には、目を覚まして立ち上がった真紅がいた 周囲をキョロキョロと見回している そして、その小さく可愛い口から、言葉がもれた 「ジュン、ここはどこなの?」 「え?いや、さぁ・・・日本語通じてるから、日本なのか?」 「どうなってるのかしら? 確かにnのフィールドを通って家に帰るところだったわよね?」 「うん、扉を通って帰ろうとして・・・真紅の知らない場所?」 「知らないわ」 「困ったな・・・おまけに真紅をこんな沢山の人に見られたぜ」 真紅とジュンは困っていた。そして、傍らのコルベールとルイズも 「あ、あの!コントラクト・サーヴァントをやり直させて下さい!」 いきなりルイズが叫んだ コルベールは困った顔で、首を横に振った 「言いたい事は分かるよ。そこの平民じゃなくて、えと、ゴーレム?の方と契約し直したいんだね」 「そ、そうです!きっと私が呼び出したのは、そっちのゴーレムの方です! お願いします!もう一度コントラクト・サーヴァントを!」 「これは…伝統なんです、ミス・ヴァリエール。例外は認められない。」 「そんな!」 懇願するようなルイズの叫びにも、しかしコルベールはただルイズに視線を送り、宣告する。 「もう、契約してしまったんだ。すまない。この春の使い魔召喚は神聖な儀式だから、事情はどうあれ、もう変更できないよ」 「でも!神聖な儀式だからこそ!正しく契約を行うべきでは!?」 あの大爆発の連続も正しい契約なのだろうか、というコルベールの突っ込みは口にはされなかった。口にしたのはもっと冷静で冷酷な決定事項だった 「そう、そしてあの2体が召喚された。そして、平民の少年と契約してしまったんだ。 本当にすまない、もう少し早くあの、えと、亞人?の存在に気付いていれば」 「でも!2体も召喚されるなんて!平民を使い魔にするなんて聞いた事がありません!」 ルイズがそういうと、事態の推移を眺めていた周囲の生徒達がどっと笑う 「いやまぁ、ゼロのルイズには平民の方がピッタリなんじゃないか?」 「ん~残念な結果ねぇ~。でも2体も召喚だなんて、さすがはルイズかしら?」 ルイズは人垣を睨み付ける。だがそれでも笑いは止まらない 「真紅、一体どうなってるんだ?」 「分からないわ。ところでジュン、その左手は何?」 ジュンは自分の左手を見た。そこには見慣れない文字が躍っている。 「ふむ・・・珍しいルーンだな」 コルベールが何時のまにやら近寄って、左手の文字をメモしていた。 「あのぅ、えと、コルベールさんでいいですか?」 「うん?ああ、なんだね少年」 「えーっと、その~・・・聞く事が多すぎて、何から聞けば良いやら」 「ふむ、当然の事だと思う。だが、残念ながら時間がないんだ。 詳しい事は君の主、ミス・ヴァリエールから聞くといい。 それにしても・・・」 コルベールは真紅をまじまじと見つめた 「うーん、人間にしか見えないな。でもさっき確認した時は、確かに人形だったし」 「レディをジロジロ見つめるのは失礼でなくって?」 真紅に咎められ、慌ててコルベールは一歩下がった 「これは失礼致しました。 お初にお目にかかります、レディ。私はこのトリステイン魔法学院で教師を務めるコルベールと申します。失礼ながら、お名前を教えて頂けますか?」 丁重に頭を下げて自己紹介するコルベールに、真紅もドレスの裾をつまみ上げ、チョコンと頭を下げた。 「よろしいですわ。私の名は真紅。ローゼンメイデンの第五ドール。 お会い出来て光栄ですわ、ミスタ・コルベール」 「ドール!?するとあなたは、やはり人形なのですか!?」 この言葉を聞いた周囲の生徒達もどよめいた --まさか、本当にゴーレムなのか。でもろーぜんめいでんって何だ? --そんなはずない、自律式の自動人形を完成させた魔術師は未だにいない --どう見ても亞人よ。それにしても、可愛いわねぇ --でもさっきコルベール先生が、手足が球体関節だって。腹話術ってヤツか? --インテリジェンスソードみたいなもんだろ?きっと誰か完成させたんだ --待って。すると、その所有者は、あの平民!?まさかあの子、あれで貴族!? --いや、杖もないし、貧相だし、何かヘンよ 周囲の生徒達の混乱は、ますます深まりつつあった 「さぁ諸君!ともかく春の使い魔召喚は全て終わった 聞きたい事は山ほどあるだろうが、今は教室へ戻ろう」 ここでコルベールが大きな声で叫び、きびすを返して宙に浮いた 他の生徒達も一歩遅れて、一斉に宙に浮いた 「ルイズと使い魔達、お前達は走ってこいよ!」 「後でその子達の事教えてねー」 「急げよー」 そういって、生徒達は飛び去っていった。 後に残ったルイズ、ジュン、真紅は立ちつくしていた 「ジュン・・・みんな飛んで行ったわ」 「真紅・・・・みんな飛んでいったな もしかして俺たち、まだnのフィールドに居るんじゃないか?」 「それは無いわ、確かにここは現実よ ねぇ、そこのあなた。確かルイズって言ったかしら? そろそろ事情を教えてちょうだい」 そう問われたルイズは、ゆっくりとジュン達に向き直り、押し黙り、肩をわなわなと振るわせ始めた。 「あら、どうしたの?」 「あんたら!なんなのよ!!なんでこんな事になるのよ!!どうしてよりによって平民のガキと契約しなきゃなんないのよー!!!」 「聞いているのはこっちよ。 答えなさい、ここはどこなの?どうして私たちはここにいるの?」 「なぁんですってぇえっ!!貴族に対してなんて口の利き方!」 そう叫んだルイズは、真紅につかみかかろうとした ビシィッ!「触れるな」 ルイズは、真紅の平手打ちに、つかみかかった手をはじかれた 「まったくなんて下品で粗暴なのかしら? それで貴族を名乗るなんて、おこがましいにもほどがあるわね」 「ぬ、ぬぁあんですってぇえええっ!!」 激怒したルイズが杖を真紅に向けた 「まま、まった!二人とも落ち着いて!ここでケンカしても何にもならないぞ!」 間に割って入ったジュンが二人を止め、ルイズに頭を下げた 「と、ともかく!失礼な事を言ったのは僕からも謝ります。すいません でも、僕らも何がなんだか分からなくて困ってるんです とにかく事情を教えて下さい、お願いします!」 「あらジュン、ずいぶんと紳士になったのね」 「いいから真紅も、ホラ!」 「そうだわね、私も少々無礼だったわね ごめんなさいだわ」 真紅も素直に頭を下げた。ルイズはようやく杖をおさめ、ジュンと向き合った 「ふ、ふんっ!まぁいいわ。あなた達もいきなり召喚されて混乱しているでしょうし。 まずは名乗りましょう。我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたの主よ」 「僕は桜田ジュンです、初めまして・・・・あるじって、何が?」 「ああ、寝ている間だったから気付かなかったでしょうね。 その左手にルーンがあるでしょ」 「ああ、あるな」 ジュンには読めない文字が、左手に踊っている 「あたしはあなたと契約したの。『コントラクト・サーヴァント』を」 「へ・・・・こんとら・・・?」 ジュンは首をひねって考えた。そういえば、目が覚める時、何か口に触れて、体が熱くなってたような 「それよ。・・・か、感謝しなさいよ!貴族が平民にあんなことするなんて、普通は一生ないんだから」 「てことは・・・あれは、まさか、き、キ・・・」 ジュンは真っ赤になった ルイズも真っ赤になった 二人の視界まで真っ赤になった 「「え?」」 真っ赤な薔薇の花びらが、二人の周囲を覆い尽くしていた 「あなた・・・私が寝てる間に・・・まさかジュンに!私のミーディアムに!!」 怒りで震える真紅の左手から、大量の薔薇の花びらがわき出していた。 そしてその花びらはルイズを包囲し始めた。右手にはステッキも構えている 「う、うっさいわね!あたしだって、あたしだってファーストキスをこんな平民なんかとしたくなかったわよ!!」 ルイズも杖を構える 「ま、まてぇ!だから、話をぉぉ!!」 ジュンが間に割って入って止めようとした ちゅどーん 夕暮れの草原に、派手な爆発音が響いた 薔薇乙女も使い魔menu/ next
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1976.html
back/ 薔薇乙女も使い魔menu/ next 「困ったわねぇ」紅いドレスの人形がつぶやいた 「困ったなぁ」眼鏡の少年がため息をついた 「あたしだって困ってるのよ」ブロンドの少女がぼやいた 二人の戦いで吹っ飛ばされて気絶したジュンは、ルイズの部屋に運ばれていた 日も暮れた頃、ようやくお互いの事情を語り始めることができた 三人でテーブルを囲み、どうにかこうにか語り合った ジュンと真紅は地球の事、ローゼンメイデンの事、アリスゲームの事、ジュンが真紅のミーディアムである事、nのフィールドを通過して帰宅している途中にハルケギニアへ来てしまった事、etcを話した。 ルイズはハルケギニアの事、トリステイン魔法学院の学生である事、春の使い魔召喚中であった事、サモン・サーヴァントによって彼らが召喚された事、コントラクト・サーヴァントによってジュンが使い魔にされてしまった事、etcを話した。 そう、今ジュンは、真紅と翠星石のミーディアムである上に、ルイズの使い魔でもあるのだ。それが証拠にジュンの左手の甲にはルーンが、左薬指には薔薇をあしらった巨大な指輪がある。 「それで僕は、どうすればいいんだ?」 左手をじっと見つめながらジュンが何度もつぶやいた。ここぞと言わんばかりにルイズが立ち上がり、ジュンを指さして高らかに宣言した。 「使い魔として当然!あたしに仕えてもらうわよ!!」 「無理ね」 真紅が紅茶を飲みながら、しれっと口を挟んだ。体に似合わぬ大きさのティーカップを両手で持ち上げながら 「無理ってどういう事よ!?使い魔のクセに主人に逆らう気?」 「ああまったく飲みにくいったらないわ」 真紅は優雅に?カップを更に戻した。人間用のイスにちょこんと座る真紅の姿に、ルイズは密かに (あぁ、なんてくぁわいいのかしらぁ。これであの口の悪さがなければねぇ) と思っていた。 「答えなさいよ、なんで主人の命令が聞けないって言うの!?」 真紅はキッとルイズを睨み付け、淡々と語り出した。 「まず第一に、使い魔なのは私じゃなくてジュンよ」 「な、何いってんのよ!?あんた、その平民の人形なんでしょうが。 そしてその平民は私の使い魔なの。つまり、使い魔の所有物は主の所有物。 だから、あんたもあたしのモノなのよ!!」 「違うわ、私は私だわ。別にジュンが私を所有しているワケじゃないの。ただ契約をしているだけなの」 相変わらず真紅は淡々と語る。真紅は更に続ける 「それにあなた、使い魔とかなんとか言ってるけど、全然ジュンを支配出来ていないみたいね。 ジュン、この子の事をどう思う?何か、威圧されるとかある?」 問われたジュンは顔を上げ、ルイズをじぃっと見つめた 「うーん・・・確かに何か、ちょっと・・・」 「ジュン、ハッキリいってちょうだい」 「う~ん~、綺麗だなって」 ぱちーん 真紅の髪がムチの如くジュンの頬を打った ルイズは、綺麗だと言われ、ちょっと頬を朱く染めた 「そういう話をしているんじゃないわ。ジュン、他に何かないの?」 「いててて。いきなり何すんだよ、まったく えーっと、まぁ、ぶっちゃけ、別になんにもねぇ」 「そ!そんなバカな!ホントになんにもないの!?」 焦るルイズににじりよられ、ジュンはコクコクと頷いた。 真紅はルイズにニッコリ笑いかけた 「ルーンの魔力による精神支配、指輪で邪魔させてもらってるの」 うぐっ そんな擬音が聞こえそうなほど、ルイズは目に見えて動揺した それでも必死に胸を張って言い返した。 「ふ、ふん!何言ってるのよ、そんなの、これからゆっくり躾ければいいのよ。 なにしろあんた達はこの異世界に召喚された以上、あたしに頼らなきゃご飯も食べられないんだから!」 ふっふーん♪ そんな感じで余裕をみせるルイズだが、それでも真紅は微笑んでいた 「そうね。この世界で暮らすなら、あなたの使い魔をする事も受け入れる必要があるわ」 「なんだ、わかってるじゃなーい☆」 ルイズは更に鼻高々でふんぞり返った。 だが真紅は、そんなルイズにとって死刑宣告にも等しい一言を発した。 「でも私達、そろそろ帰らせてもらうわ」 「な``っっ!!」 ガタッバタンッ たじろいだルイズがイスを倒してしまった。 「な、ななな、なに無茶苦茶を言ってるのよ!? あんた、ひ、人の話をきいいてなかったっていううわけぇ!? いーい?あんた達はあ・た・し・が!召喚したの、このハルケギニアに! で、異世界へ送り返す呪文なんて、無いの! だから!あんた達は帰れないの!あたしの使い魔をやるしか」 「お帰りホーリエ、とても早かったわね。頑張ったのね」 真紅はルイズを無視して鏡台を見ていた。 鏡台は、何故か鏡面が淡く輝いていた。 そして、鏡面に波紋のような模様が広がると、中心から光の玉が飛び出した。 光の玉はジュンと真紅の間に来て、ふよふよと飛び回っていた。 「真紅、どうだった?」 「大丈夫よ、ジュン。スィドリームを見つけたって言ってるわ」 「よかったぁ♪これで帰れるな」 「でも、相当遠いみたいよ。ジュンの力を必要とするかもしれないわ」 「帰るためだからな、我慢するさ。遠慮無く使えよ」 と言ってジュンと真紅は立ち上がり、鏡に向かって歩き出した。 「ま、まま、待ちなさいよ!主ほったらかしてどこ行く気よ!?」 呼び止められてジュンが振り向き、頭を下げた。 「ルイズさん。お茶とお菓子、とっても美味しかったです。ありがとうございました。 少しだけど異世界観光も出来て、楽しかったです。 それでは僕達は、さっき話したnのフィールド経由で帰らせてもらいます。 ルイズさんは新しい使い魔を召喚して下さいね」 と言って再び鏡に向かっていった。 真紅もちょっとだけ振り向き 「さよなら。お茶はとっても美味しかったわ」 と言ってさっきの光球と共に、さっさと鏡の中に入っていった ルイズは唖然としていた。 幾たびの失敗の果てに、やっと召喚した使い魔が それも、平民の子供はともかく、子供に付き従う超レアものゴーレムが 魔法まで駆使する高度な知性と魔力を持った自律式自動人形が ファーストキスまで失ったのに さっさと異世界へ帰ろうとしている 「それでは失礼します」 と言って、ジュンも鏡に入ろうと手を「まちなさい-----いっっ!!」 ルイズが思いっきりジュンにタックルした! 「う!うぅわぁあ!何すんだよ!?は、はなせぇ!!」 「離すモンですか!!あたしの使い魔が、進級が!レアものがあぁ!!」 「だ、だから新しいのを召喚すれば良いだけって、う、うわ!ぅあああ!!!」 かたや渾身の力で、それこそ命がけの必死さで掴みかかるルイズ。 かたや長期間の引きこもり生活で、すっかり体がなまっていたジュン いくら学校への復帰を決意し、真紅や雛苺や翠星石との遊びに付き合わされて、 毎日激しくもみくちゃにされていたとはいえ、ジュンにはルイズを引きはがせず その結果 「ぅあ!うわあああああああああああああ!」 「ひぃ!きゃあああああああああああああ!」 二人とも、絡み合いながら鏡の中へ転落していった back/ 薔薇乙女も使い魔menu/ next
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/304.html
一、乙女たるもの麗しくあれ 《Rosen s story【Ⅰ.薔薇乙女】》 「あ、紅薔薇様。黒薔薇様。さようなら」 二人を見つけた女生徒達は一人がそう声をかけ、後の二人が続けて頭を下げる。 「さようなら」 「さようならぁ」 紅薔薇、黒薔薇と呼ばれた二人はほほ笑みながら返す。 声をかけた生徒達は返してもらったことに大満足だった。 「やっぱりお二人は綺麗ねぇ。少し、お急ぎのご様子だったけど」 「そうそう。何してても画になるし」 「この前、八人揃ったとこを見たけど、あれはとても美しかったわぁ…」 それぞれがそれぞれの感想を話し始める。 大体そういう時は他の二人の話など聞いてはいない。 ここ、薔薇学園は明治からある国内でも優秀でそれはそれは厳しいと言われている学校である。 薔薇学園には代々伝わる『薔薇乙女』という名の生徒会がある。 学校側が才色兼備と認めた八人が晴れて『薔薇乙女』のメンバーになれる。 今、声をかけられたのはそんな『薔薇乙女』の紅薔薇、黒薔薇と呼ばれている二人である。 そんな二人の会話を少し聞いてみようと思う。 「ねぇ、水銀燈。今の三人は誰?」 「知らなぁい。一々、顔覚えてらんないしぃ、知らない子に優しく対応も仕事の内でしょぉ?」 二人は忙しなく足を動かしていた。 もちろん、それには理由がある。 「そんな事より急ぐのだわ!遅れて…あっ!」 「げ、生活指導のA先生…!」 「こ、ここはルートを変更して…」 「あらっ真紅さんに水銀燈さんじゃない。急いだご様子で、どこか行かれるの?」 くるっ、と方向転換し掛けた時に声をかけられた。 (ちょっと真紅ぅ。貴女が対応しなさいよぉ) (何で私なのよ) (だってぇ、真紅は先生のお気に入りでしょぉ?) (腑に落ちないけどまぁ、いいわ…) 「何をこそこそ言っているの?」 眼鏡の淵を持ち上げながらAと呼ばれた先生は言った。 「何でもないですわ。先生」 にこぉ、と笑いかける真紅は猫を三匹程かぶっていた。 「私達、今から図書館でお勉強なんです。よろしいでしょうか?」 Illust ID TmlgMnZZO 氏(43rd take) 「あら、引き止めてしまってごめんなさいね。じゃ、頑張ってね」 Aが振り向き歩きだした瞬間に真紅達は走りだしていた。 「勉強ぅ?音楽のぉ?」 「うるさいわ、水銀燈。正直に話したらどうなるか分からないわよ」 「おっかなぁい…」 この学園は近隣の学校の数倍は規則が厳しかった。例えば、 頭髪が肩にかかる場合は耳より下で二つに結う、もしくは一つに結う。一つの場合高さは自由。 ただしその髪は垂らす、もしくは三つ編みのみ。 また、遺伝などで先天的にカールが入っている場合は担任に届け出る。 前髪が眉より下のものはピン留めで分ける。色は黒、もしくは各々の頭髪の色(先天的なもの)と似通っているもの。結んではいけない。 等。 それ故二人はこのような髪型になっている。 こめかみの髪を下ろしているのは生徒会、というちょってしたコネがあるから。 「はぁ、もうやんなっちゃうわぁ。こんな学校」 「しょうがないのだわ。私達、孤児を拾ってくれたお父さまがこの学園の理事長なんだもの。学校に行けるだけ感謝するのだわ。そんな事より本当に急ぐのだわ!リハに遅れてしまう」 時計を見ながら巻くしたてる真紅に水銀燈はニヤリと笑ってみせる。 「こうなったら奥の手ね」 と、言いながら水銀燈は自分の結っていた髪を解き、胸元のリボンを外す。 「ちょっと、見つかったらどうすんの!」 「大丈夫よぉ、学園からはもう離れてるし、こっちの方まで来る薔薇学生なんかいないわよぉ」 確かにそこは大通りから少しはずれた路地でこんな方まで来るお嬢様はいないだろう。 「もう、知らないのだわ」 真紅はため息を吐き、二人は先を急いだ。 そして、二人は小さなライブハウスの裏口から入った。 「まぁったく、おめぇらは遅すぎですぅ。時計も見れねぇですか?」 楽屋に入った途端、既に本番用衣裳に着替えていた翠星石に二人は怒られた。 「衣裳…コレ」 と、薔薇水晶が二人に渡す。 「悪かったわ。ありがとう薔薇水晶」 「ごめんなさぁい。Aに少ぉし引き止められたのよぉ」 二人はそう言いながら着替える。 「うゆー、蒼星石ぃ、ヒナの腕のリボン結んで?」 「はいはい」 Illust ID TmlgMnZZO 氏(43rd take) 「みんな、急ぐかしらー!リハできなくなるかしらー!」 金糸雀が叫ぶ。 「先、行ってて頂戴!」 「すぐ行くわぁ」 二人の着替えを雪華綺晶が手伝う。 真紅、水銀燈、翠星石、蒼星石、雛苺そして薔薇水晶は今をときめく『RozenMaiden』というロックバンドである。 そして、先程叫んでいた金糸雀はそのバンドのマネージャー兼作詞を担当している。 そして雪華綺晶は衣裳のデザインを担当している。 この八人は全員は同じ学校の同学年で更に『薔薇乙女』メンバーである。 それぞれ、紅薔薇、黒薔薇、翠薔薇、蒼薔薇、桃薔薇、紫薔薇、黄薔薇、白薔薇と呼ばれている。 「じゃ、リハ行ってくるわ!」 「行ってらっしゃいかしらー!」 裏方の二人はもうライブ後の飲み物や簡単な食事の用意をし始めた。 そして、楽屋をノックする音が聞こえた。 「はい、誰かしら?」 「カナ?本番30分前だから。今日は多めに時間取ってあるから、そのつもりでね」 ドアを開けたのは草苗みつ、というこのライブハウスの責任者、通称みっちゃんである。 「わかってるかしら、いつもありがとうなのかしらー」 金糸雀とみっちゃんは昔からの知り合いなので格安でこのライブハウスを貸してくれる。 じゃ、頑張ってね。と言い残してみっちゃんは扉を閉めた。 「水銀燈、調律した?少し音がずれてるよ」 「いけなぁい!昨日してなぁい!」 「早くしなさいよ!」 「皆、十分前です!水銀燈!早くするですぅ!」 「わかってるわよぉ!急かさないで!」 水銀燈は素早く調律器に繋げると、弾いては巻く、弾いては巻くを繰り返した。 「よしOKだわぁ。行くわよぉ!」 と、水銀燈は言った。 そしてライブは大成功を収めた。 つづく 長編SS保管庫へ/【Ⅱ.Sugar s House】へ続く
https://w.atwiki.jp/cozmixtouhouss/pages/24.html
mixiや東方SNSに投下した、東方Projectに関するSSでもここに保管していくですよ。 紅魔館SS お嬢様の戯れ_時間旅行編 まるきゅーSS ちるのんくえすと_旅立ちの朝編 スキマ様がみてる (「マリア様がみてる」とのクロスオーバー作品) スキマ様がみてる スキマ様がみてる_スキマ革命 スキマ様がみてる_グレイズの森